JAZZ MOMENTS (Capitol) |
| - George Shearing |
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George Shearing (p) Israel Crosby (b) Vernel Fournier (ds) 1962/06/20-21 |
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名曲《バードランドの子守唄》の作曲者として有名な、盲目のピアニスト、ジョージ・シアリング。 彼は1919年のロンドン生まれ。 まずはイギリスで活動をし、7年連続でイギリスのジャズ雑誌のポールウィナーに選ばれるなど、本国での名声を確固としてから、活動拠点をアメリカに移したのは40年代の後半のこと。 彼のキャリアをひも解くと、ヴァイブとギターを加えた親しみやすいサウンドを奏でるクインテットから、オーケストラとの共演からラテン・アルバムの録音、はたまたクラシック調のアルバムまでを作るなど、多彩な活動歴を誇る。 歌伴では、ナット・キング・コール、ペギー・リー、ナンシー・ウィルソンら大物歌手との共演歴があり、また自身も弾き語りを披露することもある。 このアルバム『ジャズ・モーメンツ』は、そんな多芸多才なシアリングが、シンプルなピアノトリオの編成で、“聴かせるピアノ”に専念した好アルバムだ。 アート・テイタムやバド・パウエルなどのピアノ・ジャイアンツのスタイルを研究、消化した腕前の持ち主ながら、ここでのシアリングのピアノは、テイタムやパウエルのようにテクニックで圧倒するような演奏は一切披露していない。 十分な余裕と間をもって、とにかくリスナーを楽しませることが念頭に置かれているに違いないリラックスした演奏。 とにかく、素敵なメロディをチャーミングに響かせること。 この精神が貫かれている演奏ゆえ、おしゃれで楽しく聴けるピアノトリオといえるだろう。 収録曲は、《メイキン・フーピー》、《恋とは何でしょう》、《ホワッツ・ニュー》、《ライク・サムワン・イン・ラヴ》、《ホエン・サニー・ゲッツ・ブルー》、《風と共に去りぬ》、《イット・クッド・ハプン・トゥ・ユー》……などなど、親しみやすい名曲がズラリ。 軽やかにリラックスしつつ、しかし、不必要な音は注意深く排除しながらも、シアリングは楽しげにピアノを弾いている。 そんな彼の気持ちが乗り移ったかのようなリズムセクションも心地よく、イスラエル・クロスビーのはずむベースがとくに心地よい。 ちなみに、ジャケットには「last recorded performances of the late great bassist,Israel Crosby」と記されているとおり、本作がイスラエル・クロスビーにとっての最後のレコーディングとなる(半年後に他界)。 もちろん、いくら名曲のオンパレードとはいえ、魅惑的な旋律ばかりが並ぶと次第に食傷してしまいがちなこともたしか。 そのへんのところも周到に考えているのだろうか、途中に《ブルース・イン・9/4》など緊張感あるオリジナルを混ぜるなど、曲の流れにも工夫が凝らされているので、最後まで疲れることなく、聴き通せてしまうところも、このアルバムの大きな魅力。 もっとも、あまりにスムースに曲が流れてゆくので、気がつくと終わっていたということもしばしば。 どの曲も工夫を凝らされた美味しい料理なはずなのに、聴き手に満腹感を抱かせずに、全12曲を一気に味あわせてしまう腕前はかなりのものだ。 小粋まBGMにもなり、じっくり聴きこめばそれだけの見返りが必ずあるというコストパフォーマンスの高い洒落た1枚だ。 |
| (2009/06/22) |
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