CRAZY! BABY (Blue Note) |
| - Jimmy Smith |
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Jimmy Smith (org) Quentin Warren (g) Donald Bailey (ds) 1960/01/04 |
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ブルーノートののジャケットには、ジャズマンの顔写真が“頭チョッキン”されているものが多い。 また、色使いもカラーではなく、ピンク、黄色、紫、青などの微妙な色を使用した2色刷りや、1色刷りのものが多い。 大胆なトリミングと、少ない印刷色。 これら二つの要素は、迫力ある骨太なブルーノート特有のサウンドをビジュアルで表現しているといっても過言ではない。 なぜ使用する色の数が少ないのか? 制作コスト削減のためだと思われる。 4色だと4色分解をして4枚分のフィルムを作る必要があるので、その分、費用がかかってしまうのだ。 今でこそ、「名門レーベル」の名を欲しいままにしているレーベルだが、当時のブルーノートは、会社の規模的には、弱小レーベルの一つに過ぎなかった。 だから、予算は抑えられればそれに越したことはないし、少ない予算の中でも、最大限のインパクトと効果を狙った結果が、上記のごとく、ブルーノートならではの独自のテイストを生んだものと考えられる。 ブルーノートのジャケットをデザインしたリード・マイルスという人は、名前はマイルス・デイヴィスみたいでジャズっぽい人だが、じつはそれほどジャズが好きではなく、むしろクラシック音楽のファンだった。 だから、自分がデザインを手がけたレコードを見本として会社から貰うと、とっとっと売ってしまって、クラシックのレコードと交換していたようだ。 こういう人がデザインを担当しているわけだから、わりと距離を置いてフラットにジャズと付き合えたのだと思われる。 ジャズへの思い入れが強過ぎると、ジャズマンの写真の“頭チョッキン”はなかなか出来ないだろうからね。 そんな彼の客観的な感覚がブルーノートのジャケットカラーにつながっているのだから面白い。 しかし、このジミー・スミスのヒット・アルバムのジャケットは、今まで説明してきたブルーノートのジャケットの特徴からは大きく逸脱する。 “頭チョッキン”ではないし、なにより、4色、カラー印刷。 たくさん売るぞ!という会社の意気込みがジャケットにも現われているようだ。 しかも、ジャケットに登場するのは、ジャズマンではなく、ファッションモデルの女性。 バックの車はジャガー。 今までのブルーノートのジャケットテイストとは趣きが異なる。 より多くの購買層を見込んだ上での、デザインなのだろう。 だからこそ、彼の客観的な感覚が、ちょっと高級感あるCMや宣伝ポスターのようなジャケットにさせたのだろう。 そして、目論見通り、このアルバムはよく売れた。 もっとも、ジャケットだけの功績ではなく、ジミー・スミスのオルガンプレイももちろん素晴らしいということもある。 その上、選曲も知名度の高い曲ばかりということも幸いしているかもしれない。 ジャケットのテイストも変わったが、スミスも変わった。 ジミー・スミスのオルガンプレイが、それまでのビ・バップ的なアプローチが陰をひそめ、かなりファンキーな路線に変化している。 ゴスペルを連想させるテイスト。 デビューしたばかりの頃のスミスが持っていた獰猛で野獣なパワーと勢いがセーブされ、さらにバップの影響をモロに受けた複雑なフレーズは陰をひそめ、そのぶん、ノリを大事にしたシンプルで“分かりやすい”スタイルに変化したゆえ、より多くの人に届いたのだろう。 有名なアメリカ民謡、《ジョニーが凱旋する時》にはじまり、ミドル・テンポでゴキゲンなノリを見せ付ける《メイキン・ウーピー》。 テーマのメロディの一部をクニャクニャとコネくり回す様の気持ちの良い《チュニジアの夜》は、このアルバムのハイライトとでもいうべき熱い演奏。 ロリンズ作のブルース《ソニー・ムーン・フォー・トゥ》は、先発ソロを取るクウェンティン・ウォーレンのキレは今ひとつだが、続いて登場するスミスのソロは、抜群のノリを見せる。 音色と音を切るタイミング、あるいは音の伸ばしっぷりが気持ち良い《マック・ザ・ナイフ》に《ホワッツ・ニュー》。 軽快なテンポで、前へ前へとグルーヴする《アルフレード》。 アルバムのどこを切り取っても、どこから聴いても、楽しいくノリの良い演奏ばかり。 分かりやすいジミー・スミスの筆頭アルバムといえ、かつ、ジミー・スミス入門には最適な内容ともいえる。 |
| (2004/10/31) (2010/01/04 加筆修正) |
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