COFFEE,CIGARETTES & MEMORIES (Dream's on Jeri) (Roulette) |
| - Jeri Southern |
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Jeri Southern (vo) Lennie Hayton (cond/orchestra) 1967/03/10 |
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恥かしながら、じつは、ジェリ・サザーンの歌声は、心の底から、「うーん、いい!」が搾り出るほど好きな境地にまではいたっていない。 ビリー・ホリデイの場合は、比較的早く虜になったのだが、同じ“ヘヴィ級”女性ヴォーカルでも、ジェリ・サザーンの場合は、なぜだろう、曲によってはかなり暗澹な気持ちに誘うナンバーがある。 たとえば、絶望の《イエスタデイズ》。 これを聴くたびに、俺ってまだまだお子チャマなんだよなぁ、と情けないため息が出る。 とても、この絶望的重さを共有できるほどの人生経験も、人間的器も出来上がっていない私。 もちろん、そんな私ではあるが、上質な深みとコクは感じる。 噛みしめれば噛みしめるほど、苦い味わい。 反芻すればするほど、濃密な味わいが、むせ返るほどに。 彼女はもとはピアニストだったという。 3歳。の頃から耳にした音をピアノで弾くことが出来たそうで、5歳からピアノを習い、10歳の頃は、すでに人に教えるほどの腕前に成長していたという。 ハイスクールの卒業後は、オマハのノートルダム・アカデミーに進み、クラシック・ピアノの上級コースで勉強すると同時に、声楽の勉強も。 この時期よりジャズに興味を持ち、ジャズピアノも弾くようになった。 クラブでピアノを弾いていたところ、ピアノの弾き語りの仕事があると誘われるたが、彼女の歌はまるでジャズっぽいフィーリングがなかった。 クラシックの声楽を勉強中であったことに加え、ソプラノの歌声もジャズのフィーリングには程遠いものだったのだ。 そこで、低い声で話すように2ヵ月ほど練習した結果、なんとか手ごたえを得た段階で、弾き語りの仕事に。 ピアノに自信はあっても、歌声にはまったくの自身のなかった彼女だったが、評価は逆だった。 お客は、彼女の歌のほうに興味を示し、これを機にサザーンはヴォーカルのほうに比重を傾けることになった。 この経歴は、二ーナ・シモンを彷彿とさせる。 彼女も、最初はピアニスト志望だったが、独特な歌声のほうが好評のため、ヴォーカルに重きを置くようになった。 ジェリ・サザーンと二ーナ・シモン。白人と黒人の差はあるにせよ、両者に共通しているのは、低めのヴォイスで重く迫ってくるものを持っているという共通点があるのが興味深い。 聴き手は歌にこもった情念にノックアウトされ、ピアノの音など耳にはいらなかったのかもしれない。 この『コーヒー・アンド・シガレッツ』は、彼女2枚目のアルバムだ。 レニー・ヘイトンが編曲と指揮を担当したストリングスのアンサンブルと、取り上げている歌曲の歌詞(一人ぼっちでコーヒーと向い合い、煙草を吸いながら昔の想い出に浸る寂しい女)との相乗効果で、ひしひしとマインドに迫ってくる濃厚な内容だ。 たぶん、あと5年、いや10年も経てば、構えることなく、自然体に彼女の歌とアンサンブルをスッと受け入れられる日がくるのだろうと思う。 |
| (2008/07/29) (2010/01/07 加筆修正) |
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