YOUNGBLOOD (Enja) |
| - Elvin Jones |
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Elvin Jones (ds) Nicolas Payton (tp) except 3,4,9 Javon Jackson (ts) except 3,4,7,9 Joshua Redman (ts) except 4,7,9 George Mraz (b) except 4 1992/04/20 & 21 |
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エルヴィン・ジョーンズの訃報。 ほとんどの新聞に記されていた彼のプロフィールは“コルトレーン・カルテット全盛期のドラム奏者”ということになっていて、それ以上のキャリアは紹介されていないものが多かった。 もちろん、それに対してどうこうと言うつもりはない。 新聞にも規定の字数があるわけだから、紹介できる文字量にも限界がある。だから、もっとエルヴィンのキャリアを紹介せい!と言っているわけではない。 たしかに、彼のキャリアの絶頂期がコルトレーン・カルテットでの活躍だということは誰もが認めることだし、まったくその通りだと思う。 しかし、コルトレーン全盛期が黄金のカルテットの一応最高傑作とされている『至上の愛』だとすると、これは彼が36歳のときに吹き込まれたもの。 それ以降の40年間のエルヴィンは?…というと、もちろん、彼は相変わらず精力的に活動していたし、リーダー作こそ少ないものの、サイドマンとして参加したレコーディングは500以上にものぼる。 奥さんが日本人ということもあり、長く日本に住み、ジャズクリニックを開いたり、ジャズ・クラブを開店させたりもした。 また、コルトレーンに関するイベントには必ず参加していたようだし、コルトレーンと袂を分かってからは、『プッティン・イット・トゥゲザー』のような、名盤も発表している。 また、コルトレーン没後25周年を契機に、「エルヴィン・ジョーンズ・ジャズ・マシーン」を指導させ、様々なベテランミュージシャンとの共演により躍動感のあるジャズを世に送り続け、同時に、後進の育成にも心血を注いでいた。 「ジャズ・マシーン」は、固定メンバーを持たない、出入り自由なエルヴィン・ジョーンズのユニットだ。 いってみれば、エルヴィンさえドラムの椅子に座っていれば、ほかのミュージシャンが誰であれ、何人であれ「ジャズマシーン」となり、共演者がどんなプレイをしようが、エルヴィンのパワフルなドラミングがそこにある限り、「ジャズ・マシーン」の音となった。 『ヤング・ブラッズ』は、そんな「ジャズマシーン」における、若手かつベテラン管楽器奏者3人のプレイを楽しめるアルバムだ。 ニコラス・ペイントン、ジョシュア・レッドマン、ジャヴォン・ジャクソン。 第一線で活躍している若手ベテランたちばかりがフロントを飾る。 ピアノはいない。 エルヴィンの畳み掛けるようなドラミングを柔軟に受け止めるは、ベテラン、ジョージ・ムラーツの伸びのあるベース。 この二人によって作り出された強靭かつ柔軟なリズムの上に、ちょっと固いけれども、若手のイキの良いプレイが次々と繰り広げられる。 そう、ちょっと固めなんだ。 そんな若き日のジョシュア・レッドマンが瑞々しい。 ニコラス・ペイントンも健闘していて、ワン・ホーン演奏の《ボディ・アンド・ソウル》には思わず聴き入ってしまう。 エルヴィンが叩き出す複雑なポリリズムは、まさに、彼にしか出来ないワン・アンド・オンリーなドラミング。細かな拍のズラシや、タメを効かせて一気に爆発する破壊力抜群のバスドラなど、細かいところを挙げればキリがないが、それ以上にエルヴィンのドラムからは、圧倒的なパワーと、スケールの大きさを感じる。 無尽蔵なパワーが生み出す彼のリズムは、まるでドラムスがひとつの巨大な生き物のように胎動し、蠢き、咆哮する様を連想してしまう。 つい先日のことだが、『ジャズ名演入門』完成の打ち上げもかねて、ジャズライターが一同に会する花見会が催された。 そのときに、評論家の村井康司氏から、「君がベースで共演してみたいジャズマンは誰?」と聞かれたときに、私はすかさず「絶対無理だし、(リズムに)取り残されることは分かっていても、それでもエルヴィン・ジョーンズと一度でいいから共演してみたいです」と答えたことを思い出す。 彼の圧倒的なパワーと、巨大にゆらめくリズムの洪水をガッチリとベースで受け止め(受け止められないだろうけど…)、かつ巨大にうねる波にもまれたいという欲望がベーシストの私にはあったのだ。 今は、もうかなわぬ夢になってしまったが…。 |
| (2004/05/25) |
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