THE PRISONER (Blue Note) |
| - Herbie Hancock |
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Herbie Hancock (p,el-p) Johnny Coles (flh) Joe Henderson (ts) Garnett Brown (tb) Tony Studd (bass tb) Jack Jeffers (bass tb) Hubert Laws (fl) Jerome Richardson (bcl,fl) Romeo Penque (bcl) #3,5 Buster Williams (b) Albert "Tootie" Heath (ds) 1969/04/18,21,23 |
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なんともレトロ・フューチャーなテイストのジャケットが、イイ味を醸し出しているハンコックのブルーノート時代後期の作品。 マイルスのグループ脱退直後に吹き込まれたアルバムでもある。 ジャケットのイメージは、レトロ・フューチャーゆえ、ヘッド・ハンターズのようなファンク路線をイメージしがちだが、さにあらず。 『スピーク・ライク・ア・チャイルド』のホーンアンサンブル路線を踏襲した作品だ。 しかし、聴いた瞬間に分かることだが、ホーンのアンサンブルは『スピーク・ライク・ア・チャイルド』のよりも、かなり分厚く骨太な肌触りだ。 これは、バス・トロンボーンや、バス・クラリネットなどの低音管楽器を多めに布陣したことが大きい。 また、ベーシストをロン・カーターではなく、バスター・ウィリアムスを配したことも骨太感をより一層強調していると思う。 ちなみに、私の番組『高野雲の快楽ジャズ通信』のディレクター氏は、この道ウン十年のジャズライブ録音の達人でもあるのだが、これまで録音してきたベーシストの中で、もっとも音に芯がなくて録音に困ったベーシストがロン・カーターで、もっとも逞しくて骨太な音を奏でたベーシストがバスター・ウィリアムスだったという。 『スピーク・ライク・ア・チャイルド』と似たサウンドコンセプトとはいえ、こちらの『ザ・プリズナー』のサウンドのほうが、より強固でガッシリした印象を受けるのは、ホーン陣の音域のみならず、底辺を支えるベースの硬さ、重さもあるのだろう。 もっとも、儚くリリカルな風情が魅力の『スピーク・ライク・ア・チャイルド』の場合は、軽くて浮遊感のあるロンのベースが正解だったとも思うが……。 しかし、強いコンセプトと主張が込められた、アルバムの場合は、やはり骨太なバスターのベースで正解だった。 1曲目のタイトル《アイ・ハヴ・ア・ドリーム》からも分かるとおり、これは、1968年にテネシー州はメンフィスにて凶弾に倒れた、マーチン・ルーサー・キング牧師の有名な言葉だ。 そう、メロディが《ドルフィン・ダンス》にも似たこの曲は、キング牧師へのオマージュなのだ。 アルバム全体も組曲形式として構成されており、それは、タイトルを見ても分かると思う(ちなみに、中盤で突き落として、最後に希望を持ってくる流れは『処女航海』の曲の配列にも似ていると感じる)。 全体的に通底するトーンは、どこまでもタフで骨太。 タイトル曲の《ザ・プリズナー》は、ジョー・ヘンダーソンの参加が効いている。ドス黒くトグロを巻くジョーヘンのテナーは最高だ。 また、本アルバムはハンコックが始めてエレピを使ったアルバムでもある。 |
| (2010/05/10) |
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