洪水〜ライブ・イン・ジャパン‘75 (Sony Records) |
| - Herbie Hancock |
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Herbie Hancock (p,key) Bennie Maupin (ts,ss,bcl,fl,per) Blackbird McKnight (g) Paul Jackson (b) Mike Clark (ds) Bill Summers (per) 1975/06/28 渋谷公会堂 1975/07/01 中野サンプラザ |
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まるで低音圧力釜。とにかくポール・ジャクソンのベースの音圧はスゴい。 75年の来日時に中野サンプラザと渋谷公会堂で行われたハンコックのライブアルバム『洪水』はファンク・ハンコックの最高傑作だが、同時に、ポール・ジャクソンのベースをたっぷりと楽しめるアルバムでもある。 一音、一音に、低音のありったけのオイシイ要素が凝縮されている。まるで金太郎飴のように。そして、まその金太郎飴を、鉈でブチ切るかのように、彼の太い指が生み出す独特の「ブチッ!」とした音の切れ方が、身体が裏返ってしまうほどの濃いグルーヴを放つ。 間近で彼がベースを弾いているところを見たことがあるが、それこそアザラシのような巨大な体躯のポールが、小さなエレクトリックベースをガッシリと支えている様を見ると、まるでベースが悲鳴をあげているようだ。 彼の太い腕が弦をはじくたびに、エレクトリック・ベースが生み出し得るオイシイ音色をすべて圧縮して中空に放っているかのようだった。 このぶっ太い音に小気味良く絡むのがマイク・クラークのドラム。 ポール・ジャクソンのベースを武蔵棒弁慶だとすると、軽やかなマイク・クラークのドラミングは、まるで牛若丸のごとくだ。 この強力きわまりないリズムセクションに支えられたハンコックは、あるときはピアノで、あるときはシンセサイザーを駆使して自在なプレイをする。 アコースティック・ピアノによる叙情的な《処女航海》で幕を開ける。一転して展開される、《アクチュアル・プルーフ》の密度の濃いファンクワールド。異常なテンションと密度だ。リズムも凄まじいが、ハンコックの強力な“あの和音の響き”がガンガンとこれでもかと炸裂する。 中山康樹氏の専売特許のお言葉を使わせてもらうとすると、ほんと、「く〜、たまらん」の世界だ。 冒頭のこの2曲を聴くだけで、おそらくはアコースティック方面とファンク方面の両方のハンコックが好きになってしまうかもしれない。 ハービーのキーボードももちろん大活躍だが、どこまでもぶっ太いポール・ジャクソンのベースが演奏全体をしっかりとナビゲイトし、活気付ける。 《カメレオン》収録の名盤『ヘッドハンターズ』で、ファンク・ハンコックのファンになった人も、『テイキン・オフ』の《ウォーター・メロン・マン》や『処女航海』でハンコックを好きになったジャズフィールドのファンの人も、是非、こちらのライブ盤も体感してみてください。 |
| (2005/01/03) |
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