ORGY IN RHYTHM vol.1 (Blue Note)
- Art Blakey

  1. Buhaina Chant
  2. Ya Ya
  3. Toffi
  4. Split Skins

Art Blakey (ds,vo)
Jo Jones (ds,tympani)
Charles 'Specs' Wright (ds,tympani)
Carlos "Patato" Valdes (congas)
Jose Valiente (congas)
"Sabu" Martinez (bongos,timbales,vo)
Ubaldo Nieto (timbales)
Evilio Quntero (concerro,maracas,tee log)
Herbie Mann (fl)
Ray Bryant (p)
Wendell Marshall (b)

1957/03/07
若い頃にアフリカ旅行をしたアート・ブレイキーは、旅先で現地のリズムに魅せられた。

そして、複数のドラムとパーカッションで、それっぽいフレバーを表現出来ないものかと長年思案していた。

ブルースが大好きで、じつはリズムにも多大なる興味を持っていたブルーノートの社長、アルフレッド・ライオンも、ブレイキーの構想に共感。

2人は長年、大人数編成の打楽器アンサンブルを録音する機会をうかがっていた。

そして、1957年の3月に実現したのが、この大人数のドラマーとパーカッショニストによりセッション。

タイトルは『オージー・イン・リズム』。
『vol.1』『vol.2』と2枚に分けて収録された。

この日のセッションの翌日に、ブレイキーはジャズメッセンジャーズとして、別レーベルに『ミッドナイトセッション』を録音している。

つまり、レギュラーの仕事のジャズ(メッセンジャーズ)は、仕事としてコンスタントにこなす一方で(決して手抜きという意味ではない)、自分自身の関心も追及しつづけていたということだ。

メッセンジャーズと打楽器奏者だらけのセッションの音楽性はまったく異なるところが面白い。

しかも、1日違いでガラリと音楽の気分を変えて、両方ともプロの仕事をしてしまうブレイキーの音楽性の広さも特筆すべきだろう。

先述したとおり、『オージー・イン・リズム』セッションの編成は、かなり特異。というか、スゴい。

ドラマー3人、ラテン・リズムセクションが5人。
ドンドコドンドコと、地に足のついた「打」が重たく中空を舞う。

圧倒的な迫力によるリズムの交感。
いや、打楽器奏者たちによる容赦なき乱痴気騒ぎというべきか。

レコーディングの場所は、いつものブルーノート御用達のルディ・ヴァン・ゲルダー・スタジオではない。
おそらくは、複数のドラム(ティンパニー含む)やパーカッションなどの楽器群は、いつものスタジオには収まりきらなかったのだろう。録音はマンハッタンのホールで行われている。

土着的、かつプリミティヴなリズムの嵐は、ブレイキーが感じる「アフリカ」であるにもかかわらず、ときおり和太鼓の連打にも感じる瞬間もあるから面白い。

とにかく、難しいことは考えずに大音量で聴こう。
腰のあたりがムズムズ、ユラユラしてくるから。

ちなみに、1曲目の《ブハイナ・チャント》のブハイナとは、アート・ブレイキーの回教徒名(アブデゥラ・イブン・ブハイナ)だ。ヴォーカルは、パーカッショニストのブー・マルティネス。

サブーは過去にもブレイキーと共演歴があり、『ホレス・シルヴァー・トリオ』の《メッセージ・フロム・ケニア》が有名だ。

また3曲目の《トフィ》のヴォーカルは、ブレイキー。
『カフェ・ボヘミアのメッセンジャーズ』でのブレイキーのアナウンスはドスのきいたダミ声だが、この曲でのヴォーカルは、なかなかイイ喉を鳴らしている。

4曲目の《スプリット・スキンズ》は、ブレイキー、アート・テイラー、ジョー・ジョーンズのドラマー3人による共演だ。

ブレイキーのリズムの追求はここで終わらず、翌年の『ホリデイ・フォー・スキンズ』へと続いてゆく。
ちなみに、『ホリデイ・フォー・スキンズ』も、名盤『モーニン』の3日後のレコーディングだ。 どうも、ブレイキーは、メッセンジャーズの仕事と、リズム追求の仕事の録音日が近くなりがちなようだ。
(2009/06/27) 

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